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資産運用に新たな基準を・・・。

長期リターンの一致 

 長期的には、株式、債券、不動産、コモディティ、そしてCPI上昇率など、すべてのアセットクラスから得られるリターンは均衡します。
 株式投資から得られるリターンは、長期的には国債のリターンと同等になります。

 計算を簡単にするために、借入れと株式投資の関係から説明したいと思います。
まず、次のように用語を定義し、借入金で株式投資することを検証します。

 Pn:現在の株価
 r:金利(%)
 Pf:将来の株価
 D:配当

①Pn 円を借入し全額で株を買います。1年後の返済額はPn*r 円になります。
②1年間株式を保有すると、株価Pf と配当D を受け取ります。

 株式投資から得られるリターンが長期的にはあらゆる資産からのリターンを上回るとすると、誰もが株式を保有することによって株価は際限なく上昇することになります。
 しかし、そのようなことは起こっていませんし、実際には①と②の間には裁定が働き、株式が高れば株式を売却し借入金の返済に充てられ、株式が安ければ借入を増やし株式の購入に充てられます。

 よって、①と②は均衡します。

 式であらわすと次のようになります。

( 1 + r ) Pn = Pf + D

r = D/Pn + (Pf - Pn)/Pn

 つまり、借入金の金利と株式のリターンは同じとなります。
簡単な説明ですが、他の資産においても同様の計算式があてはまります。実際、過去においても同等のリターンになっていることが確認できます。

 「株式はあらゆる資産のリターンを凌駕する」というバブル的思考が是正されれば、個人投資家は投資対象の分散に向かうのではないでしょうか。


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難しい計算式はわかりませんが、低成長時代にはそうなるのかなってのは思います。
うさみみは、投資=株式って感覚は持っていないのでそう思いますが、「そんなことはないはず」という人の方が多そうですね(笑)

株式投資をするならば新興国だろうなと。
[ 2009/02/06 21:50 ] [ 編集 ]
株式重視の配分をされている方にとっては、なかなか受け入れがたい事実だと思います。


>株式投資をするならば新興国だろうなと。

先進国が世界平均や新興国の経済成長率を下回り続ける現状から判断すると、長期的には株式投資をするなら新興国重視が理にかなっているのでしょうね。
[ 2009/02/07 00:38 ] [ 編集 ]
ですが、なんとなくイメージとしては理解できました。
うさみみさんも仰っていますが、低成長時代はそうなのかもしれませんね。

あまり理解していなくて申し訳ないんですが、金利とインフレは違うのは判っていますが、先進国で目標インフレ率2.0±1%と言った数字を見かけるので、そのあたりが長期リターンの様にも思えてきました。

[ 2009/02/09 11:48 ] [ 編集 ]
「理論的に正しい」だけですが、現在の状況からすると正しいようです。

>インフレ率2.0±1%と言った数字を見かけるので、そのあたりが長期リターンの様にも思えてきました。

私もそう思います。過去のような高成長・高インフレの時代のようなリターンは望めないと思います。
[ 2009/02/09 23:33 ] [ 編集 ]
こんにちは。おじさんと申します。初めて訪問させていただきました。

上記のお説ですが、金利が、「借り入れ金利」となっており「預金金利」あるいは「債券利子」ではないので、がさが出てしまうのではないでしょうか。

また、ほかのページでご指摘の、あらゆるアセットクラスのリターンはGDP成長率に同じとなるという点は、企業の外国への進出という点を無視なさっているような気がします。

いかがでしょうか。
[ 2009/03/06 17:38 ] [ 編集 ]
おじさんさん

借入金利は10年債利回りです。
かえるさんのブログで引用していただいたときは、説明なしで理解していただけたので、表記に問題はないと思っていました。
多くの人に誤解を与えていたかも知れません。

GDP成長率に外国での付加価値が無視されているのではという点については、確かに一国ではおっしゃるとおりですが、グローバルな視点では関係ないものと考えています。
[ 2009/03/06 22:36 ] [ 編集 ]
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さて、長期投資のリターンについて考えを見直してみたいと思います。と、言っても僕がそんな難しいことを分かるわけはないです.....。 ただ、そう言った見方もあるんだとおもったので、メモメモです。 グラフトン通りさんのエントリー 長期リターンの...
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